エールとは何か?
エールは、Saccharomyces cerevisiae(サッカロミセス・セレビシエ)と呼ばれる上面発酵酵母を使って、比較的高温(15〜24°C程度)で発酵させるビールスタイルの総称です。発酵時に酵母が液面近くに浮上して働くことから「上面発酵」と呼ばれます。エールは人類が最初に醸造したビールのスタイルであり、世界で最も古いビールのカテゴリーです。
FIG.01 — TOP FERMENTATION
ALE / TOP-FERMENTING
エールの風味の特徴
上面発酵酵母は高温での発酵中にエステル類やフェノール類を生成するため、フルーティーな香りやスパイシーなニュアンスが加わります。これがエールをラガーと区別する最大の特徴です。バナナ、リンゴ、ナシ、ベリーなどのフルーツ系の香りや、バニラ、クローブ、コショウのようなスパイス系のニュアンスを感じることができます。
エールの主なスタイル
エールには非常に多くのサブスタイルが存在します。代表的なものとして、IPA(インディアペールエール)、ペールエール、スタウト、ポーター、ウィートビール(小麦ビール)、ベルギーエール、セゾン、バーレーワイン、サワーエールなどがあります。それぞれが独自の風味プロフィールと歴史を持っています。
FIG.02 — ALE COLOR SPECTRUM
SRM 5–9
ペールエール
SRM 6–14
IPA
SRM 11–18
アンバーエール
SRM 20–30
ポーター
SRM 35+
スタウト
ALE / COLOR SPECTRUM
エールとラガーの違い
最大の違いは使用する酵母と発酵温度です。エールは上面発酵酵母・常温、ラガーは下面発酵酵母・低温という組み合わせになります。一般的にエールはより複雑でフルーティーな風味を持ち、ラガーはよりクリーンでスッキリとした味わいを持つ傾向があります。ただし、これはあくまで傾向であり、すべてに当てはまるわけではありません。
エールの歴史
エールは数千年の歴史を持ちます。古代メソポタミアやエジプトでも醸造されており、中世ヨーロッパではパンと並ぶ重要な食料でした。ホップの使用が一般化する以前はグルートと呼ばれるハーブ混合物が使われていました。19世紀にラガーが登場するまで、ビール=エールという時代が長く続きました。